モンクレールはもともと登山家のための装備やウェアで知られる企業でした。今でこそダウンウェアのイメージがありますが、創業当時はテントやシェラフといった登山グッズがメインだったのです。フランスのアルプス地方の小さな町でモンクレールが設立されたのは1952年。軽くて暖かいダウンウェアの開発を進め、世界的な登山隊へのウェア提供を行うことで徐々に登山やアウトドアの分野で知られるようになりました。1968年には地元であるグルノーブルで開催された冬季オリンピックで、アルペンスキーのフランス代表チームの公式スポンサーと認定され、ウェアも採用されたことで広く世間にも知れ渡るようになります。オンドリをモチーフとしたモンクレールのマークは、この時に作られたものです。その後、ファッションアイテムとしてセレクトショップなどで扱われるようになり、徐々にファッションの分野でも地位を確立していったのです。
モンクレールではさまざまなアパレル商品を取り扱っていますが、その真髄はなんといってもダウンでしょう。その魅力は、なんといっても軽くて暖かいこと。モンクレールのダウンジャケットの品質タグには、4つの羽のマークがついています。これは、キャトルフロコンといって、仏規格協会がその品質を最高だと認めた証。ホワイトグースの産毛、しかも、収穫したばかりのニューダウンだけで作られていなければ、このキャトルフロコンの認定はされません。一羽のホワイトグースから30g程度しか収穫されないため希少性が高いのも特徴でしょう。軽くて非常に保温力に優れたキャトルフロコンを使っているからこそ、モンクレールのダウンジャケットは抜群に暖かいのです。
今やモンクレールのダウンジャケットは、ファッションの世界でも高い評価を受けるウェアです。もちろん素材の良さやカラーリングなども魅力ではありますが、ワンランク上のファッションを可能にしているのは、その保温性にあります。つまり、高品質の羽毛を使い、インナーに厚着をしなくても十分な暖かさがあるからこそ、スッキリしたラインでダウンジャケットを着こなすことができるのです。実際、モンクレールのダウンは細身のラインのものも多く、薄手のインナーでないとシャープなシルエットを維持するのが難しいかもしれません。それでも抜群に保温性が高いため、街中で着るのは良いけど店内に入ると暑すぎるほど。真冬の寒さ対策として、1枚持っていると便利なジャケットだといえるでしょう。普通だとどうしても寒さを防ごうとすると、厚着をした上にモコモコのダウンで着ぶくれてしまうことが多いのですが、モンクレールならその心配はないのです。もちろんタウンユースにぴったりのスタイリッシュなものから、雪山登山にも十分なボリュームのあるまで、デザインは幅広く、最近ではスーツの上に来ても違和感のないダウンなども人気を集めています。